脱炭素の救世主!?非鉄金属のリサイクルで日本一を目指すアルコニックスが取り組む再生資源活用

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アルコニックスグループの事業活動を連載コラムでご紹介する「DREAMER‘S VOICE」では、コーポレートスローガン「夢みた未来を描く」を実践し、形にしている社員や事業部を紹介しています。

アルコニックスグループが取り組む「サーキュラーエコノミー」。資源を効率的に循環させ、持続可能な社会をつくるとともに経済的な成長もめざす「循環型経済」とも呼ばれています。

3回は、非鉄金属のリサイクル集荷力で日本一を目指すアルコニックスグループにおいて、「サーキュラーエコノミー」に必要不可欠なアルミや銅の再生用原料の調達の使命を負い日々活躍中の「非鉄原料部」を紹介します。限りある天然資源であり価格が高騰する銅やアルミの原料を確保するため、世界を舞台に行っている再生資源の活用に関する取り組みとは?

目次

    ■アルコニックスグループの「非鉄原料部」

    アルコニックスグループは非鉄金属領域において、商社流通機能と製造機能を併せ持つ企業です。 最近、注目があつまる生成AI、スマートフォンやパソコンの主要部品である半導体の素材・部材のほか、EV、航空機など多くの産業に必要不可欠な素材・部材の調達、部品の製造を行っています。

    元々アルコニックスにとっての祖業である商社流通部門。その中で、アルミ・銅を中心に調達を行っている非鉄原料部の市橋 匠部長に世界の資源調達の現状や原料価格の高騰を受けて注目の集まる「都市鉱山」におけるアルコニックスの取り組み、リサイクル事業にフォーカスしてお話を伺いました。

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    非鉄原料部で担う事業(赤枠)

    アルコニックスグループの説明についてはこちらの記事もご覧ください

    はじめまして!アルコニックスのオウンドメディアです。 | アルコニックス株式会社

     

    非鉄原料部で取り扱うアルミや銅は、身近な製品に欠かせない材料として広く使われていますが、最近では、取引価格が急上昇しています。

     市橋さん「私が入社した2002年から比べると銅の価格は4倍程度になっています。軽量なアルミは自動車向け、導電率が高い銅はデータセンター向けなどで その使用量が急激に拡大しました。
    環境配慮・省エネルギーが叫ばれる現在においても日本は銅鉱石を海外に依存し、アルミは原料輸入だけでなく国内での精錬も10年ほど前に完全に廃止されたため、地金は100%輸入に依存しています。※1
    さらに、アルミや銅の取引価格は、中国やインド等の需要拡大や円安の進行、さらにロシアによるウクライナ侵攻に加え、トランプ関税の影響もあり価格が乱高下している状況です。※2 
    特に銅に関しては銅鉱石の品位低下等の供給不安に加え、投機の対象にもなっており、近年かなり激しい価格変動するようになっています。
    中国、インドの需要拡大を背景に銅やアルミ等の資源が世界的に奪い合いとなり価格が高騰するなか、アルコニックスが手掛ける『都市鉱山』から非鉄原料を確保する事業が重要性を増しています。」

    1 https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/pdf/012_03_00.pdf

    2 Home | London Metal Exchange

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    「都市鉱山」とは、都市部で廃棄される家電などに含まれる金属資源を鉱山に見立てた概念で1980年代から使われるようになった言葉。廃製品から金属資源を回収し、再び製品に利用することで、単にゴミを減らすリデュースの意味にとどまらず、レアアースなど希少な資源を確保するリサイクル手段(資源循環)として注目されています。
    資源のない日本と言われますが、実は「都市鉱山」において日本は世界有数の資源国。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、約5,000個の金・銀・銅メダルを全国各地から集めたリサイクル金属で作るプロジェクトでも有名になりました。
    では、なぜ都市鉱山の重要性が増しているのでしょうか?

     

    市橋さん「非鉄材料のリサイクル拡大は、大きな社会的インパクトを持ちます。アルミを原料のボーキサイトから精錬するには多大な電力が必要で、『アルミは電気の缶詰』と言われるほど。 再生材料からアルミ地金を作れば二酸化炭素排出量を30分の1に削減できる試算もあります。※3
    アルミは国内においては新地金自体が100%輸入のため、リサイクルの優等生とされる『アルミ缶からアルミ缶への再生』などリサイクル材の利用拡大が進んでいます。」

     

    3 アルコニックス20253月期第3四半期 決算説明資料 P18より

     

    市橋さん「世界的に見ても、アルミ地金生産へのスクラップ活用は2040年には47%と比率が増加していくことが予想されており、『サーキュラーエコノミー』実現に向けて重要性は増していきます。
    銅は国内でも電気銅を精錬していますが、電気銅の原料にもスクラップ採用の動きは加速しており、それらスクラップから精錬された電気銅は、銅の板や棒など工業製品の基本的な材料となる『伸銅品』にも使われています。」

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    アルコニックス投資家向け説明資料より

     

    一般にリサイクル原料の発生源には、工場などから均一な廃材を回収する「PIR(ポスト・インダストリアル・リサイクル」と、消費された千差万別な製品を市中で回収する「PCR(ポスト・コンシューマー・リサイクル)」があります。大量のスクラップを確保できるのはPCRですが、分別など独特なノウハウが必要となる。天然資源の鉱山と違い、資金力だけでは原料としての権益を確保できません。
    そのため、『都市鉱山』から非鉄金属のスクラップを安定的に確保するのは簡単ではないといいます。

     

    市橋さん「全国には中小規模のリサイクル問屋さんが無数に存在し、長い歴史のなか、人と人との信頼関係で仕事をしています。そのなかでアルコニックスは、国内各地で銅、アルミ、真鍮(しんちゅう)などの非鉄金属材料を市中から広く回収する有力なリサイクル問屋とネットワークを築き取引実績を拡大してきました。
    これらの取引先は同じ銅でも、部品の種類や用途別にどのような銅合金が使われていて、それらのスクラップの回収、選別に高度なノウハウを持っており、選別加工によって原料としての付加価値を上げています。
    アルコニックスはリサイクル問屋から再生原料を仕入れ、銅純分や形状ごとに伸銅品メーカー、銅精錬会社へ販売するなど、目利き力とネットワークで日本の非鉄金属リサイクルを支えています。」

     

    そのような中、20251月には、アルコニックスグループのアルミ銅センターが福岡県・北九州市に大規模な再生資源ヤードを新設、稼働しました。

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    ※アルコニックス2025年3月期 第3四半期 決算説明資料より

    市橋さん「約9,750平方メートル※4 の広大な敷地に屋内での重機作業が可能な屋根の高い倉庫を備え、銅・アルミの集荷能力は従来の月平均1,500トンから同2,500トンに拡大する見込みです。アルミ銅センターの本拠地・大阪府枚方市に続く拠点で、今後も拠点を拡大していくものと期待しています。
    自社拠点と全国の有力な独立業者とのネットワークにより、アルコニックスは『非鉄金属スクラップ集荷量日本一』を目指します。
    さらに、海外の『都市鉱山』も視野に入れています。人口減少などにより国内の銅スクラップの発生量は明らかに減ってきています。今後は中近東やアフリカなどからの再生原料の輸入確保が必要になります。
    世界的な中古車の最終処分地となっている中近東やアフリカが、巨大な『都市鉱山』に変貌しつつあるのです。海外の都市鉱山も、資金力だけでなく独特な人間のネットワークに入り込めなければ権益を確保できません。アルコニックスの実績とノウハウが生きてきます。」

    4 20251月時点

     

    地球温暖化など環境問題の対応に向け、世界規模でリサイクルの重要性は高まっていきます。アルコニックスでは先行した非鉄金属に続き、樹脂の再生材料などを扱う製品分野の拡大も想定。

    世界と日本で、限りある資源を有効活用するため、非鉄金属分野のサーキュラーエコノミーにおいて先頭を走り、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

     

    DREAMER'S VOICEについてはこちらの記事もご覧ください

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