コーポレート・ガバナンス体制
Corporate Governance System

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

当社は中長期的な企業価値向上を経営の最重要課題と認識し、「夢みた未来」を実現するために経営体制の強化に努めています。
法令・企業倫理を遵守し、公明正大かつ透明性の高い経営を行い、誠実で信頼されるグループへ成長します。

ガバナンス強化に向けた取組み

ガバナンスにおける当社の課題は内部体制の強化、管理規程等の会社のルールの再整備及びコンプライアンス体制の強化と組織風土の改善であると認識しています。課題の改善に向けて、以下を重点的に取り組みました。

ACTION01

CEO・COOのTwo-Top体制に
よる執行の役割分担の明確化

ACTION02

グループガバナンスの充実・強化
のための組織再編を実行

ACTION03

コンプライアンス研修実施による
グループ会社のガバナンス強化

ACTION04

国内外グループ全体を網羅した
グローバル内部通報制度の導入

社外取締役メッセージ

2019年6月に当社取締役に就任して3年強が経過しましたが、この間事務局の尽力もあり取締役会の運営も改善され、実効性も一段と向上してきたと実感しています。コンプライアンスやサステナビリティといった諸課題について、多様な知見・経験を持つ社外役員の様々な意見や指摘を取り入れ会社運営に取り組んできた結果であると思います。昨年の大きな出来事は東証プライム市場への移行でした。移行に際して、2021年に改定されたコーポレートガバナンス・コードを読み込み、プライム市場向けの原則だけでなく全ての原則に対して当社の対応を取り纏めたガバナンス報告書の策定及び開示は他社に例の見られない挑戦で深く印象に残りました。この努力は今後の会社経営に必ず活かされてくると信じています。
当社は会社設立以来企業買収を重ね、現在では国内外のグループ会社合わせて50社強となる事業集団となりました。今後も引き続きM&Aによるグループ事業拡大が当社の成長戦略の柱ですが、同時にグループ会社間のシナジー創出とグループガバナンスの強化はますます重要な課題です。私は社外取締役の立場から当社のより良質なコーポレート・ガバナンス体制の確立とグループ経営の更なる発展に貢献していきたいと考えております。

社外取締役
指名・報酬諮問委員会委員長

久田 眞佐男

取締役会の構成

社外取締役の割合

女性取締役の割合

国際ビジネス経験者の割合

当社の取締役会は5名の常勤取締役及び4名の社外取締役で構成され、毎月1回の定時取締役会と、必要に応じて開催される臨時取締役会により、充分な議論の中で経営上の意思決定を行っています。

コーポレート・ガバナンスの概要(2022年6月22日現在)

機関設計
監査役会設置会社
取締役
9名(うち、社外取締役4名)
取締役会議長
会長
監査役
4名(うち、社外監査役3名)
定款上の取締役の任期
1年
執行役員制度採用
取締役の任意諮問機関
指名・報酬諮問委員会
会計監査人
EY新日本有限責任監査法人

体制と機関設計

株主総会

株主総会 体制図

当社は、客観的かつ大局的な見地から経営に資する意見をいただける豊富な経験及び深く幅広い見識を有する社外取締役を複数名選任し、取締役会において、業務執行を行う経営陣から独立した客観的立場での経営に資する意見を取り入れることにより、社外の視点を取り入れた的確かつ迅速な意思決定ができると考えています。また、監査役会設置会社として独立性が高く、法務、会計、ビジネスの専門的知識を有した社外監査役を複数名選任し、取締役会の透明性かつ適正な監督及び監視を行っています。

取締役会

取締役会は9名の取締役(うち4名は社外取締役)で構成され、毎月1回の定時取締役会と、必要に応じて開催される臨時取締役会とにより、充分な議論の中で経営上の意思決定(経営方針・計画、経営幹部の選解任及びその他重要な業務執行等の決定)を行っています。なお、当社は取締役会の招集権者及び議長の定めについて法令に別段の定めがある場合を除き、あらかじめ取締役会が定めた取締役とすることを定款で定めております。

取締役会の2021年度の出席状況:100%

議長 竹井 正人
(代表取締役 会長執行役員CEO)
構成 取締役9名(うち社外取締役4名)
2021年度
開催回数
12回
主な役割・
権限
経営方針・計画の策定、経営幹部の選解任、その他重要な業務執行の決定を行うとともに、経営陣の職務の執行を監督。取締役会での決定を要しない業務執行については、社内規程に基づき、執行役員等の経営幹部に委任。

今川 敏哉氏、高橋 伸彦氏、及び津上 俊哉氏は第40回定時株主総会において取締役に選任されたことから、2021年6月の就任以降、2021年度に開催された取締役会への出席状況を記載しております。

監査役会

監査役会は4名の監査役(うち3名は社外監査役)で構成され、毎月1回の定時監査役会と、必要に応じて開催される臨時監査役会により、業務及び財産の状況調査を通じて、取締役の職務執行状況の監査を行っています。また、監査役会は、会計監査人及び監査部と適宜意見交換・情報共有等を行い、相互連携しています。なお、監査役を補佐する専属組織の設置及び社内外の監査役に対し適時適切な情報提供を行える支援体制を構築するため、2022年4月より監査役業務室を設置しています。

監査役会の2021年度の出席状況:100%

議長 西村 昌彦
構成 監査役4名(うち社外監査役3名)
2021年度
開催回数
16回
主な役割・
権限
グループ監査体制の強化のため監査役の支援体制の再構築
  • グループ内部統制の整備状況・運用状況の評価結果
  • 内部監査・会計監査の方針

指名・報酬諮問委員会

指名・報酬諮問委員会は取締役会の諮問機関として2名の社外取締役(うち1名の社外取締役を委員長として任命)及び常勤取締役1名で構成され、最高経営責任者の後継計画(サクセッションプラン)、取締役及び執行役員等の業務執行を担う幹部職員の指名及び報酬の額等を審議しております。

指名・報酬諮問委員会の
2021年度の出席状況:100%

議長 久田 眞佐男(社外取締役)
構成 取締役3名(うち社外取締役2名)
2021年度
開催回数
11回
主な役割・
権限
取締役及び監査役の選定方針や選定手続きの決定、選任や解任議案の原案の決定、執行役員等の経営陣幹部候補者の原案の決定、役員報酬方針の決定、役員報酬議案の原案の決定、取締役の個別報酬の決定等

業務執行における
意思決定機関

経営会議

経営会議は毎月1回開催され、社内取締役5名、オブザーバーの常勤監査役が出席し、業務執行における重要案件並びに資本政策・会社組織及び戦略リスク等に関する事項において取締役会決議または報告が必要な案件について事前に審議を行っております。

執行役員会議

執行役員会議は社内取締役5名(うち、5名は執行役員を兼務)、国内在住の執行役員4名、海外在住の執行役員1名(Webで参加)、大阪及び名古屋の各支店長、オブザーバーの常勤監査役で構成され、毎月1回の定時執行役員会議と必要に応じて開催される臨時執行役員会議により、業務執行に係る重要な事項の討議を行っております。

取締役会の取組状況/実効性評価について

2022年3月期取締役会での主な活動

当社は非鉄金属専門商社から金属加工・装置材料の製造業も含みグローバルに展開する総合グループへと発展してきました。
2023年3月期から始まる中期経営計画の中心的課題の一つにガバナンス強化をあげています。2022年3月期の取締役会での主な活動としては、持続的な成長に向けた実効性のある企業統治確立のため、社外役員を含めた取締役・監査役のスキルマトリックスの要件を、「商社機能と製造業を融合する総合企業」に相応しくなるよう改革しました。またサステナビリティ向上への体制整備のため、サステナビリティ委員会の設立を決定しました。

取締役会の実効性の評価

年に1回、取締役会の構成員である全ての取締役・監査役を対象にアンケートを実施し、取締役会の実効性に関する課題を抽出し、その評価・分析を実施しています。
2022年3月期の取締役会実効性評価の結果は、当社取締役会の構成、運営手続きは適正であり、審議内容や支援体制等については課題があるものの積極的な議論・審議が行われているとの概ね肯定的な評価が得られ、取締役会自体の実効性は確保されていると判断しました。

取締役会の実効性の評価と評価に対する取組み

~ 中長期的な企業価値向上に資する取締役会として機能するための継続的な点検を実施 ~

2020年度の取締役会実効性評価アンケートで抽出された課題

① ESG/SDGsへの対応やサステナビリティの基本的な取組み方針

サステナビリティ委員会及び同推進室を設置し、取締役会での継続的な議論を重ねたことなどもあり、2021年度は改善が見られました。

② 株主/投資家との対話に関するフィードバック

機関投資家と社内取締役の面談内容を取締役会で共有する機会を多く設けるなどした結果、2021年度は改善が見られました。

2021年度の取締役会実効性評価アンケートの概要

  • 取締役会の運営
  • 取締役及び監査役に対する支援体制
  • 取締役及び監査役へのトレーニング
  • 株主との対話について

回答方法は各役員が外部機関に直接回答することで匿名性を確保

2021年度の取締役会実効性評価アンケートの結果をもとに決定した課題

  • 内部監査部門と取締役・監査役との連携

  • 中長期的な企業価値向上と整合性のある経営戦略や経営計画策定に必要な前提条件に関する議論の充実

  • 実効的なグループ全体の内部統制システム構築と運用

  • 役員向けトレーニング機会提供の継続及び充実

取締役の選解任について

当社は、取締役候補者選任基準に従い、社内から、当社の事業経営に関する幅広い知見と豊富な経験を備えている者を、社外から、東京証券取引所が定める独立役員及び当社が定める独立性判断基準の要件を満たし実践的かつ客観的な視点及び高い見識を備えている者を選任することを方針としています。取締役の選解任及び取締役候補者の指名については、「指名・報酬諮問委員会」において、各役職に求められる知識・経験、能力及び業績等の要件を満たし、取締役として期待される役割を適切に遂行することが可能な候補者を総合的な評価により審議し、取締役会で決定します。

役員報酬制度

当社は役員報酬の基本方針及び役員の個人別報酬額等を決定する場合、内容の客観性と透明性を確保するため、取締役会の諮問機関として設置する「指名・報酬諮問委員会」での審議を経て取締役会においてその審議案を決議します。当該委員会は当社グループの今後の経営環境の見通し、我が国における最新のコーポレートガバナンス・コードに関する考え方を最大限に勘案しつつ、以下に記載の方針及び評価項目等に従い審議を行っております。

取締役報酬等の種類及び構成及び基本報酬に関する方針

当社は役員報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針を次のように定めています。監査役、社外取締役を除く取締役の報酬は、役位に応じた水準の基本報酬、年次業績連動報酬及び非金銭報酬として株式交付による長期インセンティブの3つの要素をもって構成されています。なお、社外取締役及び監査役の報酬等の構成につきましては独立性を担保する等の視点から基本報酬のみとしています。

役員報酬構成比率(イメージ)

役員報酬構成比率のイメージ図。取締役の報酬限度額:2019年6月21日定時株主総会決議、年額:500百万円(うち、社外取締役分は年額50百万円)。監査役の報酬限度額:2019年6月21日定時株主総会決議、年額:100百万円。

報酬等の割合、業績連動報酬及び非金銭報酬に関する事項

当社の取締役報酬水準及び業績連動報酬の比率は、外部調査機関の調査データ等を参考にし、客観的な比較検証を行った上で、当社取締役会が委嘱している指名・報酬諮問委員会の審議を経て決定しています。比較対象は、主に国内における当社と同規模程度の企業または国内の同業他社とし、業績目標達成時に遜色ない水準となるように設計しています。なお、3つの要素である固定報酬、業績連動報酬(金銭及び株式給付信託)及び長期インセンティブ(譲渡制限付株式の交付)の、それぞれの報酬総額に占める比率は、原則として概ね50%、37.5%、12.5%程度となるよう設計しています。業績連動報酬の評価指標は、当社が従来から経営目標として掲げていました内容及び数値、指標の相互関連性、シンプルさなどを加味判断し、「経常利益」「ROE」の2指標を定量的に算定する際に用いるものとして選択しています。これらの指標以外に、数値指標として表すことができない企業価値向上に関連する下記項目について定性的な評価を行っています。

BBT=Board Benefit Trust

報酬決定時の定性的評価項目

  • 中長期目線での経営資源の適切な分配に係る意思決定の度合い
  • 適切なるリスクテイクによる投資(M&A、設備投資等)に係る意思決定の度合い
  • グループ全体の中期経営計画の進捗度合いとそれに関連するグループ経営に対する責任度合い

取締役及び監査役の報酬等の額(2022年3月期)

役員区分 報酬額の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる
役員の員数 (人)
基本報酬 業績連動報酬等 非金銭報酬等
取締役 280 171 85 23 10
(うち社外取締役) (27) (27) (-) (-) (4)
監査役 48 48 (-) (-) 4
(うち社外監査役) (27) (27) (-) (-) (3)
合計 329 220 85 23 14
(うち社外役員) (54) (54) (-) (-) (7)

取締役の支給額には、使用人兼務役員の使用人分給与は含まれておりません。
また上記の役員の員数には当事業年度中に退任した取締役1名及び社外取締役1名を含んでおります。

連結報酬等の総額が1億円以上である者の連結報酬等の総額等

氏名(役員区分) 報酬額の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円)
基本報酬 業績連動報酬等 非金銭報酬等
竹井 正人(取締役) 108 74 22 11

報酬等の付与時期や条件、報酬決定の委任に関する事項、その他報酬等の決定に関する事項

当社の取締役の報酬限度額は年額500百万円以内(うち、社外取締役分は年額50百万円以内とし、使用人兼務取締役に対する使用人分給与を除く)、監査役は年額100百万円以内とすることを2019年6月21日開催の第38回定時株主総会において決定しています。当社の社外を含む取締役及び監査役の報酬については、株主総会の決議によって決定した取締役全員及び監査役全員の報酬総額の限度額内において、取締役会から委嘱をうけた指名・報酬諮問委員会の審議をもとに、取締役については取締役会の決議、監査役については監査役会の協議によってそれぞれ決定しています。指名・報酬諮問委員会は、使用人兼務取締役を除く社内取締役1名、社外役員2名の計3名で構成され、社外取締役が委員長を務めています。また、指名・報酬諮問委員会の事務局として社内取締役2名が運営をサポートしています。なお、上記報酬は、固定報酬を各月、業績連動報酬及び長期インセンティブを毎年一定の時期に、それぞれ支給することとしています。

政策保有株式について

当社は取引関係の円滑化及び企業連携の強化等を目的に、政策保有株式を保有しています。当社の政策保有株式の保有比率は当社の連結純資産の4.2%(非上場株式を含めると4.5%)となっており、その内容については有価証券報告書の「コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しています。当社が保有する政策保有株式については、各投資先企業の業績や財務状況並びに取引状況等を精査し、継続して保有することが適切か、また保有する便益が資本コスト等当社が重視する経営指標に見合ったものかどうか、仕入先・販売先等との取引関係強化により当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するのか、リスク管理委員会と経営会議において十分な検討を経た後、取締役会にて保有継続の合理性を判断、保有意義が希薄化した銘柄は相手先との対話を行った上売却等による縮減をする方針です。また、政策保有株式の議決権の行使については、全ての議案の内容を吟味し、投資先企業の企業価値の向上に沿っているのか精査した上で、議案毎に賛否を適切に判断します。