コーポレート・ガバナンス体制
Corporate Governance System

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

当社は、VUCAが常態化する事業環境下、グループとしてさらなる成長を遂げるための道筋を明確にすべく、2025年5月にパーパス・ビジョンと長期経営計画2030を策定し、中長期な企業価値の向上を図っています。
この実現に向け、コーポレート・ガバナンスの充実が経営の重要課題であるとの認識のもと、株主をはじめとするステークホルダーに対する経営責任と説明責任を果たすために、透明性、公正性、効率性の高い経営体制の確立に努めています。
そのため、当社は、独立性の高い社外取締役を複数名選任し、取締役会において社外の視点を取り入れた的確かつ迅速な意思決定を行うとともに 、取締役の指名および報酬等に関しては、透明性および客観性を確保するために、独立した取締役会の諮問機関として独立社外取締役を委員長とする指名・報酬諮問委員会を設置しています。
また、監査役会設置会社として社外監査役を過半数とする監査役会を設置するとともに、重要な業務執行に関する審議を行うための経営会議、経営会議傘下の委員会として内部統制委員会、リスク管理委員会、サステナビリティ委員会、内部監査部門として監査部を設置し、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。

取締役の構成

社外取締役の割合

女性取締役の割合

国際ビジネス経験者の割合

コーポレート・ガバナンスの概要(2025年4月1日現在)

機関設計
監査役会設置会社
取締役
8名(うち、社外取締役4名)
取締役会議長
社長
監査役
3名(うち、社外監査役2名)
定款上の取締役の任期
1年
執行役員制度採用
取締役の任意諮問機関
指名・報酬諮問委員会
会計監査人
EY新日本有限責任監査法人

体制と機関設計

株主総会 体制図

取締役会

8名の取締役(うち4名は社外取締役)で構成され、毎月1回の定時取締役会と、必要に応じて開催される臨時取締役会により、十分な議論の中で経営上の意思決定(経営方針・計画、経営幹部の選解任、及びその他重要な業務執行等の決定)を行っています。

議長 手代木 洋
(代表取締役 社長執行役員CEO)
構成 取締役8名(うち社外取締役4名)
※オブザーバー監査役 3名(うち社外監査役2名)
2024年度
開催回数
13回
主な役割・
権限
  • 経営方針、計画の策定
  • 経営幹部の選解任
  • その他重要な業務執行の決定を行うとともに、経営陣の職務の執行を監督。

※取締役会での決定を要しない業務執行については、社内規程に基づき、執行役員等の経営幹部に委任

指名・報酬諮問委員会

指名・報酬諮問委員会は取締役会の諮問機関として2名の社外役員(うち1名の社外役員を委員長として任命)及び常勤取締役1名で構成され、最高経営責任者の後継計画(サクセッションプラン)、取締役及び執行役員等の業務執行を担う幹部職員の指名及び報酬額等を審議しています。

議長 菊間千乃(社外取締役)
2025年6月の取締役会で、前任の社外取締役 久田眞佐男から交代いたしました。
構成 社内取締役1名(常勤)
社外役員2名
2024年度
開催回数
10回
主な役割・
権限
  • 取締役候補者及び監査役候補者の選定方針や選定手続きの決定
  • 選任や解任議案の原案の決定
  • 執行役員等の経営陣幹部候補者の原案の決定
  • 役員報酬方針の決定
  • 役員報酬議案の原案の決定
  • 取締役の個別報酬の決定 等

監査役会

3名の監査役(うち2名は社外監査役)で構成され、毎月1回の定時監査役会と、必要に応じて臨時監査役会が開催され、各監査役の報告に基づき審議を行い、監査役会としての監査意見を形成しています。また、監査役会は会計監査人及び監査部と適宜意見交換・情報共有等を行い、相互連携しています。

議長 北垣 淳一(常勤監査役)
構成 社内監査役1名(常勤)
社外監査役2名
2024年度
開催回数
13回
主な役割・
権限
  • 監査役監査の方針及び監査計画の策定
  • 取締役会その他重要な会議への出席、重要
    書類の閲覧及び取締役、使用人からの報告、グループ会社往査を通じた取締役の職務執行状況の監査
  • 会計監査人の監査及び監査結果の相当性の検証

経営会議

毎月1回開催され、社内取締役4名、オブザーバーの常勤監査役が出席し、業務執行における重要案件並びに資本政策・会社組織、及び戦略リスク等に関する事項において取締役会決議または報告が必要な案件について事前に審議を行っています。

執行役員会議

社内取締役4名(うち、4名は執行役員を兼務)、執行役員7名、大阪支店長、名古屋支店長、及び監査部長、オブザーバーの常勤監査役で構成され、毎月1回開催しています。

主な執行部門の委員会構成(2025年4月1日)

委員会名 委員長、開催頻度(年) 各委員会の具体的な役割
リスク管理委員会 委員長:
取締役常務執行役員CFO
  • リスク管理委員会は、経営会議の傘下として、取締役常務執行役員CFOを委員長とし、社内取締役、コーポレート部門の執行役員と部室長ほかにて構成され、最高経営責任者(CEO)及びその他の経営陣による、当社グループの重要リスクの特定や管理対応状況、並びにこれに係る各主管部署での計画策定や対応状況等の責務を監督しております。

信用リスク分科会

  • 主に、取引先リスク及びカントリーリスクに関するリスクの把握、分析、対策の決定ならびに評価等を行っております。

保険分科会

  • 主に、リスクの移転可能な事案等に対するリスクヘッジ手法としての保険活用について、その有効性等についての把握、分析、対策の決定ならびに評価等を行っております。

市場リスク分科会

  • 主に、市場での取引価格の変動によるリスク(為替リスク、商品価格変動リスク、金利リスク)に関するリスクの把握、分析、対策の決定ならびに評価等を行っております。

事業継続分科会

  • 主に、事業継続計画(BCP)対応として、地震・台風・火災等の災害リスク、感染症リスク等に関するリスクの把握、分析、対策の決定ならびに評価等を行っております。

安全保障等管理分科会

  • 主に、安全保障貿易管理に関するリスクの把握、分析、対策の決定ならびに評価等を行っております。

投融資分科会

  • 主に、新規M&Aや設備投資などの事業投資に対する投資効果の検証や事業投資先のモニタリング等を通じた事業投資リスク及び株価等の証券価格リスク(政策保有株式等を含む)に関するリスクの把握、分析、対策の決定ならびに評価等を行っております。
内部統制委員会 委員長:
取締役常務執行役員
(内部統制担当)
  • 取締役常務執行役員(内部統制担当)を委員長とし、内部統制システム全般並びに財務報告に係る内部統制の整備・運用に関する事項(開示関連含む)を管理し、内部統制に関する下記事項について一元的に管理をする役割を担っています。
  • 業務の有効性と効率性の向上
  • 会計基準への準拠、及び財務報告の信頼性の確保
  • 法令及びこれを反映した各種行動規範を含む社内ルールの遵守
  • 会社資産の保全

コンプライアンス会議

  • 当社グループのコンプライアンス体制の構築及び高度化の推進について、方針を策定し実施することを目的とし、コンプライアンス上の課題の特定、コンプライアンス事案(内部通報事案を含む)の報告・分析・対応、コンプライアンスの推進、その他コンプライアンスに関する事項について審議・報告を行ない、重要な事項について、内部統制委員会に上程・報告しています。

情報管理・セキュリティ会議

  • 当社グループの情報管理とセキュリティ対策の課題抽出、評価、改善、およびグループ全体のDX推進に寄与することなどを目的とし、審議・重要事項について内部統制委員会に報告しています。
サステナビリティ委員会 委員長:
取締役専務執行役員CSO
  • サステナビリティ委員会は取締役専務執行役員CSOを委員長とし、主にCSR(企業の社会的責任)の観点から、サステナビリティ基本方針に則り、サステナビリティ重点課題(マテリアリティ)を中心に対応を高度化することを目的としております。
    ※マテリアリティへの対応推進については、E(環境)とS(社会)についてサステナビリティ委員会及び傘下の分科会にて、G(ガバナンス)とH(人財)については内部統制委員会にてそれぞれPDCAサイクルを回し、両委員会が相互に連携する事としております。

取締役会の実効性評価/取組状況について

年に1回、取締役会に出席する全ての取締役・監査役を対象に取締役会の実効性評価に係るアンケートを実施しています。その回答結果をもとに取締役会の実効性に関する課題を抽出し、その評価・分析を行っています。2024年度の実効性評価アンケートは2025年1月下旬から2月中旬までの期間において、全ての取締役・監査役に対して外部機関に直接回答を求める形式で実施いたしました。アンケートの結果、2024年度の改善課題のうち、「中長期的な企業価値向上と整合性のある経営戦略や経営計画策定に必要な前提条件に関する議論の充実」と「役員向けトレーニング機会提供の継続及び充実」についての評価が改善した一方で他の2課題については評価改善には至りませんでした。これらをふまえ、2024年度改善課題のうち評価が改善しなかった2課題に、他の項目との比較で相対的に評価の低かった項目を加え、2025年度の改善課題としました。

取締役会の実効性の評価と評価に対する取組み

~ 中長期的な企業価値向上に資する取締役会として機能するための継続的な点検を実施 ~

2023年度の取締役会実効性評価
アンケートの結果をもとに決定した課題

① 取締役会によるCEO等の後継者計画の策定・運用に関する主体的な関与
② 中長期的な企業価値向上と整合性のある経営戦略や経営計画策定に必要な前提条件に関する議論の充実
③ サステナビリティ向上のための十分な議論
④ 役員向けトレーニング機会提供の継続および充実

2024年度の実効性評価
アンケートの概要

  • 取締役会の構成、運営、議論
  • 取締役会のモニタリング機能
  • 社内取締役のパフォーマンス
  • 社外取締役のパフォーマンス
  • 取締役・監査役に対する支援体制
  • 役員向けトレーニング機会の提供
  • 株主(投資家)との対話
  • 役員自身の取り組み
  • 総括

2024年度の取締役会実効性評価
アンケートの結果をもとに決定した2025年度課題

① 最高経営責任者(CEO)等の後継者計画の策定・運用への主体的な関与
② サステナビリティ向上のための十分な議論
③ 経営戦略・経営計画の実行に伴う潜在的なリスクとその対処法についての適切な監督

取締役の選解任について

当社は、取締役候補者選任基準に従い、社内から、当社の事業経営に関する幅広い知見と豊富な経験を備えている者を、社外から、東京証券取引所が定める独立役員及び当社が定める独立性判断基準の要件を満たし実践的かつ客観的な視点及び高い見識を備えている者を選任することを方針としています。取締役の選解任及び取締役候補者の指名については、「指名・報酬諮問委員会」において、各役職に求められる知識・経験、能力及び業績等の要件を満たし、取締役として期待される役割を適切に遂行することが可能な候補者を総合的な評価により審議し、取締役会で決定します。

役員報酬制度

当社は役員報酬の基本方針及び役員の個人別報酬額等を決定する場合、内容の客観性と透明性を確保するため、取締役会の諮問機関として設置する「指名・報酬諮問委員会」での審議を経て取締役会においてその審議案を決議します。当該委員会は当社グループの今後の経営環境の見通し、我が国における最新のコーポレートガバナンス・コードに関する考え方を最大限に勘案しつつ、以下に記載の方針及び評価項目等に従い審議を行っております。

報酬(社外取締役を除く)の基本原則

当社グループの持続的価値創造を支えることを目的とする

  • (1)持続的な成長と中長期的な企業価値の創造を健全に動機づけることのできる報酬水準とする。

  • (2)財務業績による定量的な評価と、中長期戦略を踏まえた課題に対する取り組みの度合い、経営資源の適正な分配に係る意思決定の度合い、適切なるリスクテイクによる投資(M&A、設備投資等)に係る意思決定の度合いの評価を業績連動報酬にて公正かつ公平に反映することで、グループ経営に対する毎事業年度の結果責任を明確化する。

  • (3)中長期的なグループ業績と連動する長期インセンティブを継続的に付与することにより、持続的な企業価値創造を図る。

  • (4)取締役在任中の長期的な株式保有を促進し、株主との利害共有を図る。

報酬の決定における客観性と透明性を確保する

  • (1)報酬の決定方針及び個人別の支給額については、社外役員を主要な構成員とする指名・報酬諮問委員会で審議する。

  • (2)外部調査機関の調査データ等を参考とし、同業他社、同規模企業群と比較等の客観的な検証を行い、当社グループの事業特性等も考慮し、適切なる報酬水準を設定する。

報酬体系

取締役(社外取締役を除く)の報酬体系は、金銭報酬として「基本報酬」と「業績連動報酬」、株式報酬として持続的な企業価値創造に連動する「業績連動型株式報酬(株式給付信託(BBT))」、及び株式の継続保有を通じて株主の皆さまと継続的に価値を共有することを目的とした「譲渡制限付株式報酬」で構成されています。

  • (1) 基本報酬の構成

    監督給
    取締役の監督機能分(全員一律)と代表権者の責任度合い(代表取締役のみ)を加味した定額報酬
    執行給
    取締役の役位に応じて設定する定額報酬(執行職務対価役位給)にCxO制度の業務執行の役割に応じた定額報酬
  • (2) 業績連動報酬の構成

    毎事業年度の結果責任を明確にするため、当社グループにおける経営上の重要指標である連結経常利益、株主総利回り、ROEの事業年度毎の各目標達成度合いや定性的貢献度合いに応じて、執行給(執行職務対価)に対し0~100%の範囲内で支給額を決定します。

  • (3) 株式給付信託(BBT)の構成

    • 業績評価期間中の業績の数値目標の達成率に応じて、当社が定める役員株式給付規程に従い、役位に応じたポイントを付与
    • 業績評価対象期間の3事業年度終了後に開催される定時株主総会終結後に給付を受ける権利が確定
    • 当社より拠出された自己株式及び当該株式を時価で換算した金額相当の金銭等が信託を通じて給付
  • (4) 譲渡制限付株式報酬

    • 取締役等(社外役員を除く)を対象に、当社の企業価値の持続的な向上を図る長期的なインセンティブを目的として、あらかじめ設定した報酬総枠(金額及び株数)内で、当社から支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受ける制度
    • 譲渡制限期間の満了、または、任期満了、死亡等、当社取締役会が正当と認める理由により、譲渡制限期間が満了する前に、当社の取締役、執行役員、使用人その他これらに準ずる地位で当社取締役会が定める地位のいずれからも退任または退職した場合 等の条件を満たすことにより、譲渡制限を解除

役員の区分毎の報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数(2024年度)

役員区分 報酬額の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる
役員の員数(人)
基本報酬 業績連動報酬等 非金銭報酬等

取締役

(社外取締役を除く)
251 187 41 22 5

監査役

(社外監査役を除く)
26 26 - - 1
社外役員 76 76 - - 8

* 取締役の支給額には、執行役員兼務取締役の執行役員分の報酬を含めています。

社外取締役の報酬等の決定に関する基本方針

業務執行から独立した立場で監督機能を果たす社外取締役の報酬は、定額報酬としての基本報酬(監督給)のみとしており、同業、同規模企業群との比較等の結果を参考としています。
社外取締役の報酬額は、株主総会において承認された報酬枠内で指名・報酬諮問委員会が社外取締役の報酬総額の原案を審議し、取締役会において当該原案の決議を行います(社外取締役の報酬は基本的には就任年数にかかわらず一律。ただし、指名・報酬諮問委員会の委員長、委員には別途委員手当を支給する)。

政策保有株式について

当社は取引関係の円滑化及び企業連携の強化等を目的に、政策保有株式を保有しています。当社の政策保有株式の保有比率は当社の連結純資産の3.3%(非上場株式を含む2025年3月期)となっており、その内容については有価証券報告書の「コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しています。当社が保有する政策保有株式については、各投資先企業の業績や財務状況並びに取引状況等を精査し、継続して保有することが適切か、また保有する便益が資本コスト等当社が重視する経営指標に見合ったものかどうか、仕入先・販売先等との取引関係強化により当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するのか、リスク管理委員会と経営会議において十分な検討を経た後、取締役会にて保有継続の合理性を判断、保有意義が希薄化した銘柄は相手先との対話を行った上売却等による縮減をする方針です。また、政策保有株式の議決権の行使については、全ての議案の内容を吟味し、投資先企業の企業価値の向上に沿っているのか精査した上で、議案毎に賛否を適切に判断します。