【図解】経済安全保障とは?|地政学リスクと気候変動に備えるサプライチェーン強靭化とサーキュラーエコノミー(循環経済)・再生材活用をわかりやすく解説|アルコニックス株式会社

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中東情勢の緊迫、中国のレアアース輸出規制、原材料価格の高騰など、サプライチェーンを揺さぶる出来事が相次いでいます。こうした情勢を受け、「経済安全保障」は政府や経営層にとって重要なアジェンダとなりつつあります。

経済安全保障への対応は、防衛や規制といった側面だけではありません。重要な資源を安定的に確保し、特定の国や地域への依存を抑えることも、サプライチェーンのレジリエンス(強靭性)につながります。その手段の1つとして注目されるのが、使用済み資源を回収・再利用し、国内で循環させる「資源循環」です。

中でも、さまざまな産業で使用される非鉄金属は、安定調達の観点からも重要な資源です。

業界解説を通してアルコニックスのビジネスも紹介する「こんなところに『アル』コニックス」。本記事では、非鉄金属の「総合ソリューションプロバイダー」として、金属リサイクルにも取組むアルコニックスグループの視点から、経済安全保障の基礎や、資源循環の具体策である再生材の活用までを整理し、これからの資源戦略のあり方を考えます。

目次

    【この記事でわかること】

    ・経済安全保障の定義と、企業が対応を迫られている地政学リスクの背景
    ・経済安全保障推進法における5つの制度の内容
    ・日本のアルミ・銅・レアメタル調達が抱える構造的なリスクの実態
    ・資源循環と再生材の活用が、経済安全保障と脱炭素の双方に効く仕組みと理由
    ・再生アルミ・再生タングステンの活用事例

    【アルコニックスグループが展開する他のビジネスコラム記事はこちらをクリック】

    経済安全保障とは、経済的手段で安全保障を確保する考え方

    経済安全保障とは、「我が国の平和と安全や経済的な繁栄等の国益を経済上の措置を通じて確保すること」(経済産業省資料より引用)を指します。防衛力の強化のような従来型の安全保障とは異なり、貿易や投資、技術開発といった経済活動そのものをリスク管理の対象として捉える点が特徴です。

    特に中心的なテーマとなっているのが、半導体・重要鉱物・エネルギーなど、特定分野の供給が一部の国・地域に偏ることに伴うリスクへの対応です。中東情勢やウクライナ情勢、米中関係の緊張といった地政学リスクの高まりに加え、新型コロナウイルス感染症の流行下でサプライチェーンが分断された経験も、この分野への注目度を急速に押し上げました。

    こうした背景から、企業にとっても、調達・生産・販売の前提となる「サプライチェーンの安定性」そのものが経営課題となっています。原材料の調達先が一部の国に偏っている場合、その国の政策変更や情勢悪化が、そのまま自社の事業継続リスクに直結するためです。

    ■経済安全保障を経営課題として捉える際の視点

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    ※図は、複数の関連資料を参考に当社作成

    日本の経済安全保障推進法と特定重要物資

    日本では、こうしたリスクに対応するための法整備として、2022年に「経済安全保障推進法」が成立しました。その後、2026年の法改正を経て拡充され、次の5つの制度で構成されています。

    ■経済安全保障推進法の5つの制度

    制度 概要
    重要な物資の安定的な供給の確保 国民の生存や経済活動等に不可欠な特定重要物資の安定供給確保に向けた計画認定や、民間企業の生産基盤強化・備蓄などの取組の支援
    基幹インフラ役務の安定的な提供の確保 基幹インフラ(電気・水道・通信など)を担う事業者の設備導入や維持管理等の委託の際の事前審査制度
    先端的な重要技術の開発支援 官民協力による重要技術の研究開発や実用化を支援する仕組み
    重要な海外事業の促進 民間だけでは投資が進みにくい海外事業(輸送網の強靭化、重要技術の海外展開など)を支援する制度
    総合的な経済安全保障シンクタンク・官民協議会 経済安全保障政策を総合的かつ機動的に推進するために、専門知識を集結して調査研究・政策提言・協議を行う仕組み

    (参照:内閣府「経済安全保障推進法等の改正概要(経済安保海外事業促進制度)について」)

    ■経済安全保障推進法と特定重要物資

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    ※図は、複数の関連資料を参考に当社作成

    5つの制度のうち、「重要な物資の安定的な供給の確保」の中核をなすのが、「特定重要物資」の指定制度です。国民生活や経済活動に不可欠でありながら外部への依存度が高く、安定供給の確保が必要な物資として、半導体、蓄電池、重要鉱物などが指定されており、対象事業者には安定供給確保に向けた取組みが求められています。
    (※特定重要物資として政令が定める物の一覧はこちらをご覧ください(内閣府関連サイト))

    一方、政策上重視されているのは、特定重要物資に指定された物資だけではありません。アルミ・銅などの基幹金属(ベースメタル)は、2026年10月時点では特定重要物資に指定されていないものの、「循環経済行動計画」では「我が国の自律性・不可欠性向上の観点から重要」と言及されています。

    詳しくは後述する「解決アプローチとしての国内資源循環」の章で触れますが、ベースメタルについても安定的な確保に向けた重要性が高まっており、国内資源循環に向けた取組みが本格化しています。こうした特定重要物資の指定や関連する政策の動きは、個々の企業にとっても、調達戦略や設備投資の判断に直接影響を及ぼす要素になっているのです。

    日本の資源輸入依存と地政学リスク

    日本は化石燃料や金属などの資源の自給率が低いため、地政学リスクの高まりは企業の事業継続リスクを大きく押し上げます。

    例えばアルミは、国内での新地金(鉱石から新たに生産したインゴット)の生産が難しいことから、日本は全量を輸入に頼っており、その7割近くをわずか5か国から輸入しています。また、レアメタル・レアアースについても、産地が一部の国・地域に偏在しているため、同様に供給リスクを抱えています。

    とりわけ深刻なのが銅です。銅は精鉱(製錬前の鉱石)の多くを海外に依存していることに加えて、国内の銅製錬事業は採算の悪化に直面しています。精鉱価格の上昇と、海外の大手製錬会社との競争が重なった結果、精鉱を用いた製錬の経済合理性が低下しつつあるのです。海外で採掘された資源の輸入を前提とする調達モデルそのものの見直しが、業界全体で迫られているといえます。

    国際資源市場の構造的リスク

    アルミ・銅・レアメタルなどの輸入依存がリスクとなる背景には、国際資源市場が抱える構造的な偏りがあります。

    例えば、アルミのサプライチェーンの重要な箇所(チョークポイント)が特定の地域に集中している点です。アルミの鉱石である「ボーキサイト」の確認埋蔵量は、オーストラリアや中国、ブラジルやインドネシア、ギニアなどに集中しており、中でもオーストラリアと中国が2大生産国とされています。

    さらに、ボーキサイトからアルミ新地金を生産するためには大量の電力を要することから、水力や火力を通じて電力を大量かつ比較的安価に調達できる国に製錬所が集中する傾向にあります。

    国際アルミニウム協会(IAI)のデータによると、世界のアルミ新地金の生産量は2025年には約7,378万トンでした(出典:International Aluminium Institute “Primary Aluminium Production”)。最も新地金を生産している国は中国で、全体の約6割(約4,421万トン)を占めます。豊富な水力にアクセスできるロシアやカナダはそれぞれ約390万トン(全体の約5.2%)、約330万トン(全体の約4.4%)を生産。安い化石燃料を活かせる中東の湾岸協力会議(GCC)構成国も、合計約616万トン(全体の約 8.3%)を占める主要産地です。

    こうした地域の情勢悪化はアルミの国際的な供給バランスに直接影響を及ぼします。2026年10月現在、ロシア・ウクライナ戦争に伴う西側諸国の経済制裁や、米国によるイラン攻撃の余波で中東のアルミ製錬所が被害を受けたことで、世界のアルミ供給の約2割が日本に入りにくい状況に陥っています。

    より深刻なのが、チョークポイントを握る国家による重要物資の寡占です。例えば、国際エネルギー機関(IEA)によれば、中国はレアアースの精錬段階で世界シェア約92%、採掘段階でも約62%を占めています(2023年実績)。2030年には精錬段階のシェアは約77%になる見通しです。
    さらに中国は、超硬工具や兵器、航空機部品、半導体製造用ガスにも使われるタングステンについても、採掘段階で世界シェア約80%を握っています。
    特定の国への輸入依存度が高い品目は、価格高騰や供給途絶が現実的なリスクとして経営判断に影響を与えつつあります。

    解決アプローチとしての国内資源循環

    アルミ・銅・レアメタルなどの調達リスクへの対応策として注目されているのが、国内の「資源循環」です。資源循環は、脱炭素の文脈だけでなく、経済安全保障の観点からも有力な対応策となります。

    金属の再生利用は、CO2排出量の削減につながることから、近年、脱炭素の観点での注目度が高まってきました。加えて、国内で発生するスクラップや廃材の国内での再資源化は、海外からの輸入への依存度を下げ、資源の調達リスクを緩和することにもつながります。

    つまり資源循環は、脱炭素と経済安全保障という2つの政策課題に、同時に応える手段だといえるのです。
    「採掘して輸入する」という従来の前提から、「国内で循環させる」という前提へ移行することが、これからの資源戦略の柱となっていきます。

    ■輸入天然資源への依存から国内資源循環へ

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    ※図は、複数の関連資料を参考に当社作成

    サーキュラーエコノミーと経済安全保障の接続

    資源循環をより広い視点から捉え直す動きも進んでいます。
    欧州では、サーキュラーエコノミー(循環経済)が環境政策の枠を超え、産業政策や安全保障政策と一体的に捉えられるようになっています。EUの「CRMA(重要原材料法)」など、域内での資源確保と循環利用を結びつける制度設計が進んでいることは、その象徴といえるでしょう。

    日本政府も、循環経済を国家戦略として位置づけ、「循環型社会形成推進基本計画」やGX(グリーン・トランスフォーメーション)、経済安全保障に関する政策が相互に連動する動きが進んでいます。

    「資源循環」を単なる環境対応としてではなく、経済安全保障にもつながる重要な取組として位置づける視点が、今後の企業戦略を考える上でも重要になってきているといえます。

    経済安全保障のカギを握る再生材

    資源循環を具体的に進める手段の1つが、「再生材」の活用です。再生材を活用することで、資源の輸入依存度を抑え、経済安全保障の強化につなげられるだけでなく、CO2排出量の削減にも貢献できます。
    ここでは、アルミとタングステンを例に、その再生工程とメリットを見ていきましょう。

    アルミの再生工程と特性

    再生材としてのアルミ※とは、アルミスクラップを溶解・精製し、再び合金やインゴットへと戻したアルミのことです。一般的な再生工程は、回収・分別・前処理・溶解・精製・鋳造(二次合金・再生地金)という流れで進みます。

    ※一般社団法人 日本アルミニウム協会の定義する「リサイクルアルミ原材料」のうち、「アルミスクラップを再生したアルミニウム原料(地金、インゴット、スラブ、 ビレットなど)」のことをいう(本記事内では以降、「再生アルミ」と表現します)。

    アルミは、新地金の製造に必要なエネルギー負荷が極めて大きい一方、回収・再生にかかるエネルギー負荷はわずかで済むという特性を持つ金属です。用途や合金組成に応じて、自動車部品・サッシ・容器・電子部品など幅広い分野に供給されており、私たちの生活に身近な製品を支える存在でもあります。

    再生アルミがもたらす2つのメリット

    再生アルミの活用がもたらすメリットは、大きく2つに整理できます。

    <再生アルミの2つのメリット>

    • 経済安全保障の観点:国内資源の活用によって輸入依存を緩和し、サプライチェーンを強靭化できる
    • 脱炭素の観点:新地金比でCO2排出量を大幅に削減でき、企業のScope3(サプライチェーン全体の排出量)削減手段としても活用できる

    また、脱炭素の観点から、調達先や顧客から再生材の使用を求められるケースも増えており、企業の取引条件の面でも、競争優位性をもたらしつつあります。
    再生アルミの活用は、環境負荷の低減や資源調達リスクへの対応に加え、企業の競争力や取引機会にもつながる取組みといえるでしょう。

    ■アルミの再生工程と再生材のメリット

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    ※図は、複数の関連資料を参考に当社作成

    再生タングステンの重要性

    再生タングステンがもたらすメリットは、アルミと同様に経済安全保障と脱炭素の両面に及びます。実際に、天然のタングステン資源においては産出国による囲い込みが始まりつつあり、市場価格も上昇基調です。一部需要家からは、輸入の困難さを指摘する声も上がっています。

    こうした状況を受け、日本機械工具工業会も、超硬工具スクラップのリサイクル促進に関するガイドラインを改定するなど、廃タングステンの海外流出を防ぐための取組みに着手しています。

    アルミのようなベースメタルから、タングステンのような希少金属(レアメタル)に至るまで、再生材の積極的な活用は、企業にとってより前向きで戦略的な判断が求められるテーマといえるでしょう。

    国内再生材拡大の課題と展望

    高品質な再生材を安定的に供給するには、スクラップの品質確保と分別精度の向上が欠かせません。
    また、回収ネットワークや処理拠点の整備、そして製品の解体や分別を容易にする「リサイクルしやすい設計(DfR:Design for Recycling)」の浸透も重要なテーマです。

    制度面では、再生材の活用を後押しする調達基準・補助金・情報開示要件などの整備が進みつつあります。加えて、輸送に伴うCO2や物流コストを抑えるため、関東圏など需要地に近い場所での拠点整備も、国内循環の体制強化において重要なステップです。

    もちろん最終的には国内循環が前提となりますが、現状は国内の回収量だけでは需要に追いつかないため、新地金の海外調達とは性質が異なる、供給リスクの低いスクラップの海外調達を当面加速させることも、国内循環体制が軌道に乗るまでの重要な取組みとなります。

    アルコニックスグループの役割:資源循環の2つのメリットを「実装」する中間プレイヤー

    経済安全保障とカーボンニュートラルは、政策レベルではしばしば別の枠組みとして議論されます。しかし、現場の事業活動において、この2つは「資源循環」という同じ土台の上に重なるテーマです。

    例えば、海外からの新地金輸入を「再生地金」に置き換える取組みは、資源の供給リスクを低減させる「経済安全保障の強化」であると同時に、新地金製造時に発生する膨大なCO2排出を大幅に削減する「カーボンニュートラルへの貢献」でもあります。

    非鉄金属分野のトレーディング事業で長い実績を持つアルコニックスグループは、国内外に広がるリサイクル原料や再生材の調達・流通ネットワークを有しています。単にモノを右から左へ動かすだけでなく、この「資源循環」を実際のサプライチェーン上で機能させ、「実装」していくことこそが、中間プレイヤーである当社の重要な役割となっています。

    国内資源循環の強化に向けたアルコニックスグループの取組み

    アルコニックスグループでは、国内資源循環の強化に向けた具体的な取組みを加速させています。その中核となるのが、自動車部品や住宅用サッシなどに使われるアルミや、産業廃材として排出される銅を回収・リサイクルする事業です。現在は北九州市と大阪府枚方市の2拠点にリサイクルヤードを展開しており、月平均で3,000トン規模の集荷能力を有しています。

    (アルコニックスグループの北九州市での取組みはこちらの記事もご覧ください)

    アルミリサイクルの現場から:日本アルミニウム協会がアルコニックスに見出す循環経済への突破口 | アルコニックス株式会社

    さらに現在は、国内循環体制のさらなる強化に向けて、埼玉県羽生市に新ヤードを建設中です。関東は日本最大の再生資源集積地であるとの考えのもと、中東情勢の緊迫化などに伴うアルミの調達不安を背景に、需要と資源が集まる関東エリアへの進出を決定しました。2027年前半に予定されている同ヤードの稼働によって、全体の集荷能力は月4,000トン規模へと拡大する見込みです。

    また、取組みはベースメタルにとどまりません。レアメタルの安定確保に向けて、グループ会社のアドバンストマテリアルジャパン(AMJ)は、タングステンやコバルトなどの処理を手掛ける台湾のLianyou Metals(聯友金属)社と資本提携を結びました。これにより、経済安全保障上の重要性が高まるタングステンの供給ルートを確固たるものにしています。

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    まとめ:経済安全保障時代の資源戦略として、再生材を軸に経済を再設計する

    これからの経済安全保障は、単なる「海外調達先の分散化」にとどまらず、「自国の中にある資源をいかに有効活用するか」という観点を含めて設計していく時代へと突入しています。

    脱炭素と経済安全保障という二大課題の双方に効く「資源循環」を国内サプライチェーン上で実装し、「再生材の活用」を推進することは、今後の資源戦略の中核を担うものです。
    もはや環境対応という枠組みを超え、企業にとっては、調達戦略の再構築、サプライヤーの選定、そして再生材活用の見直しそのものが、グローバルな競争力強化に直結する重要な経営テーマとなっています。

    国家戦略としての循環経済推進を軸としたサプライチェーンの再設計が進む中、資源の回収から加工、供給までのネットワークを構築し、国内のリサイクル体制を担う事業者の役割は、今後ますます重要なものとなっていくでしょう。
    アルコニックスグループは、非鉄金属の「総合ソリューションプロバイダー」として、リサイクル原料や再生材の調達・流通ネットワークを通じて、国内サプライチェーンの強靭化に貢献していきます。

    アルコニックスグループについて 

    アルコニックスグループは「夢みた未来を描く」を掲げ、「卸売・流通」機能を担う商社流通セグメントと、「加工・製造」機能を担う製造セグメントからなる、アルミニウムや銅、レアアースなどのモノづくりに欠かせない非鉄金属をワンストップで提供する「総合ソリューションプロバイダー」企業です。
    次世代を見据えた事業展開により、国内の製造業において持続可能なビジネスモデルを生み出し、競争力の向上を目指していきます。

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    FAQ

    経済安全保障と資源循環・再生材について、よくある質問をまとめました。

    経済安全保障と資源循環はなぜつながるのですか?

    経済安全保障の中核テーマである「供給リスクへの対応」と、資源循環が目指す「国内資源の有効活用」は、本質的に方向性が一致しているためです。
    特に金属資源においては、国内でスクラップを回収し再生する仕組みが、海外からの新規採掘や輸入への依存度を下げる有効な手段となります。加えて、脱炭素への対応を同時に進められる点が、資源循環ならではの強みです。

    「特定重要物資」とは何ですか?

    特定重要物資とは、経済安全保障推進法にもとづき、国民生活や経済活動に不可欠で、安定供給の確保が必要と判断された物資を指します。2026年時点で指定されているのは、半導体、蓄電池、重要鉱物、永久磁石、工作機械・産業用ロボットなど16物資です。
    これらの指定品目を取り扱う事業者は、安定供給確保に向けた計画を国に申請して認定を受けることで、設備投資などの面で政府からの支援を受けられるスキームが用意されています。

    レアメタルとレアアースの違いは何ですか?

    レアメタルとは、産業上重要でありながら流通量が少ない金属の総称です。リチウム、コバルト、タングステン、ニッケルなど、日本では31種類がレアメタルとして定義されています。
    レアアースは、このレアメタルの一部にあたり、ネオジムやジスプロシウムなど17元素の希土類元素の総称です。レアアースはEVモーターや家電などに不可欠な素材ですが、産出国が中国などに偏っているため、サプライチェーンにおける経済安全保障上の重要論点の1つとなっています。

    二次合金とは何ですか?

    二次合金とは、市場から回収されたアルミスクラップなどを原料として、溶解・精製し、再び利用できるようにした「再生アルミ合金」のことです。
    二次合金は、主に自動車部品などのダイカスト製品に多く使われており、国内のアルミ需要の中でも大きな比率を占めています。

    「再生アルミ」と聞くと品質が落ちる、というイメージがありますが実際はどうですか?

    アルミニウムは他の材料を混ぜた合金として多く使用され、合金成分は用途に応じてJIS規格として細かく規定されています。アルミスクラップは主にエンジン部品等に加工される「鋳物用合金」に用いられ、溶解された後に厳密な成分管理を経て二次合金に再生されます。
    一般に、二次合金の製造では、用途や合金設計に応じて原料スクラップの分別精度を高め、溶解・精製工程で不純物を管理することで、品質が担保されています。


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